CMC(カルボキシメチルセルロース)cmc

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CMC(カルボキシメチルセルロース)は、天然パルプ由来のセルロースを加工して作られた増粘安定剤です。水に溶けないセルロースにカルボキシメチル基を導入することで可溶化し、増粘、吸水、保水などの優れた性能を発揮します。
CMCは1918年にドイツで開発され、当初は「繊維素グリコール酸ナトリウム」と呼ばれていました。その後、製法や品質の改良が進み、現在では食品、医薬品をはじめ、化粧品、繊維、土木、水産、製紙など、幅広い産業で利用されるようになりました。
市販されているCMCにはナトリウム塩とカルシウム塩がありますが、キミカCMCはナトリウム塩(カルボキシメチルセルロースナトリウム)です。

用途

用途別の代表的なグレードは次の通りです(項目をクリックすると詳細が表示されます)。

工業用途

食品用途

飼料用途

ラインナップ

※表を左右にスワイプしてご覧ください

グレード名 2%水溶液の粘度(25℃) 1%水溶液の粘度(25℃) エーテル化度
※参考値
SYL-1 8~30 mPa・s 0.55~1.1
PL-4 20~100 mPa・s 0.7~1.1
P-3 250~450 mPa・s 1.4~1.7
P-10 600~1,600 mPa・s 1.4~1.7
F-2 150~350 mPa・s 0.5~0.9
F-2E 150~350 mPa・s 1.1~1.5
F-10 900~1,400 mPa・s 0.5~0.8
F-30 2,500~4,500 mPa・s 1.1~1.5
F-100 9,000~15,000 mPa・s 0.6~0.9

※Fグレード:食品添加物規格適合品

上記以外のグレードもご用意しておりますので、ご相談ください。

特徴と性質

特徴

CMCはセルロースの誘導体です。原料となるセルロースは多数のグルコースが直鎖状に重合した高分子多糖類で、個々のグルコースユニットにはそれぞれ3つの水酸基(-OH)があります。
CMCはセルロースの水酸基にカルボキシメチル基がエーテル結合した構造の多糖類です(下図)。セルロースの構造中に極性の高い官能基が導入されていることで、CMCは水に溶けます。
3つある水酸基のうち、いくつエーテル化しているかを示すのが「エーテル化度」です。理論的には0~3まであり得ますが、市場に流通しているCMCのエーテル化度は0.5~1.5の範囲にあります。

CMCの構造式
図 CMCの構造式(エーテル化度1.0の例)

原料となるセルロースは、気象条件などに左右されることなく安定的に入手できる豊富なバイオマスです。したがって、CMCは他の天然系増粘剤に比べ、供給の安定性に優れています。CMCは粉末状の製品で、においや味はほとんどありません。食品添加物、飼料添加物、医薬部外品原料規格等の公定規格に適合します。

キミカCMCは、増粘剤の製造販売におよそ80年の実績を持つキミカが、そのノウハウを活かし、高品質でコストパフォーマンスに優れたCMC製品を、キミカ独自の品質保証体制でお届けするものです。

性質

  • 冷水、温水に溶けて粘ちょうなコロイド溶液となります。
  • 味やにおいはほとんどありません。
  • 低濃度で高い粘性を発揮します。
  • 水溶液の粘度は経時変化が少なく、長期間安定です。

CMCの製造方法

CMCの製造方法

濃度と粘度の関係

濃度と粘度の関係

塩分と粘度の関係

塩分と粘度の関係

公的規格

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規格・基準 食品添加物公定書 第9版(2017) 飼料添加物
名称 カルボキシメチルセルロースナトリウム カルボキシメチルセルロースナトリウム
別名 Sodium Carboxymethyl Cellulose
繊維素グリコール酸ナトリウム
-
性状 白~淡黄色の粉末、粒又は繊維状の物質であり、においがない 白色~類白色の粉末、粒又は繊維状物で、臭いはない
確認試験
溶状 - -
液性 pH6.0~8.5 pH6.0~8.5
塩化物 Clとして0.64%以下 0.64%以下
硫酸塩 SO4として0.96%以下 0.96%以下
ケイ酸塩 - -
ヒ素 Asとして3μg/g以下 4μg/g以下
重金属 Pbとして2μg/g以下 20μg/g以下
乾燥減量 12.0%以下 12%以下

資料

SDS(安全データシート)

キミカCMC(347KB

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